『水曜日が消えた』

『水曜日が消えた』という映画は、私が映画にハマるきっかけになった作品である。この映画を観て人生観が変わる衝撃を受けた。貴方は昨日の自分の行動が分からないという経験をした事はあるだろうか。多くの人は当てはまらないだろう。この物語の主人公は幼少期に交通事故に遭い、多重人格となってしまった。彼は自分として生きられる時間は1週間のうち1日だけ。月に4日。一年の中で５２日。そんな彼らのコミュニケーションツールは付箋と一日の終わりに書く日記である。

それらを駆使する事で他の曜日の行動を把握し生活している。毎日性格が変わるので中々友人は出来ないし泊まりがけの旅行にも行けない。それでも彼らは各々自分として過ごせる時間を楽しんでいた。そう、火曜日を除いて。

一週間に一度しか自分として生きられなくなったら、貴方ならどう毎日を過ごしますか？明日も今の自分のままで居られる保証は無い。自分にとっての当たり前は、誰かにとっては当たり前ではない。貴方が生きている毎日は、彼にとって喉から手が出るほど手に入れたい今日なのだ。

ネタバレ⚠

一週間の中で一番つまらない日を生きている。目が覚めてからずっと誰かと暮らしてる。いつか一人になれるかも、元の自分になれるかも。でもそれがいつなのか、誰なのか誰も知らない。図書館はずっと休館日。そこに入る隙間はない。睡眠と生活サイクルの安定は重要。想い出も大事だよ。
16年かぁ、2年ですよ。2年と4ヶ月。
一人になりたかった？大きくなったなぁ。
今日の旅は終わり。自分だけの身体じゃないんだぞ。大事にしないとさ、同級生とか同居人は。待つのが私の仕事だからさ。見つけたら？好きな事。月曜も水曜も木も金も土日も皆それぞれ楽しんでるよ。治療中だよ？僕らは。夜は早いし、遠くに旅行もいけない。毎日言ってる事違うからろくに友達も出来ない。（日）皆でどうぞ。ドボルザークの曲。土曜日の自分に一手を指す。別の曜日の自分の為に今日一日の事を書く。一週間分の夜が来る。何？やれば出来るじゃん。管理じゃない。共有だよ。他の曜日ってさ、怖くないのかな。外に出たり、新しい事したり、誰かと会ったり。幸せになれよ。またね。素敵ですよ、裏返しも。なんでもないいつもの水曜日でした。二日あると世界が違う。帰って夜中っぽい事するか。このまま水曜日が消えたらまずいよねぇ。私その曲嫌いだったんですよ。でも今は好きです。水曜の朝の曲だから。初めてあった時、あの曲をあんなに楽しそうに聞く人がいるんだ。って。ずっと水曜の朝すれ違う人だと思ってました。
誰も借りない本を借りて。良かったら他の日も会えませんか？貴方の中で異変が起こっています。私達は貴方をすくいたい。返します、きっと、貴方が好きだった水曜日を。薬飲んで寝れば収まる。こっちは人間と思われてねぇんだぞ。楽しく生きていこーや。こっちは消える気ないけど。弦材4日対3日で月曜日が一歩リード。初めて人と演奏した。誰かと一緒に何かするってこえーけどめちゃくちゃ楽しいぞ。それが普通なんだろうな。でもめちゃくちゃ楽しかった。お前もそうだろ。誰かと出会った。世界が変わった。水曜も木曜も大事なものがあって、大事な人が居て、僕のせいでお別れも出来なかった。だから返してあげなきゃ。一人になりたい。誰でも持ってる、普通でまともな。
明日も自分で居られる。それだけで良い。それだけでなんでも出来る。最後まで自分で考えて自分で生きたい。それだけだ。もし、僕が消えたらさ。最初から居なくなった事になっていたんですね。消えても誰も気づかない。
元って何処ですか？今の君たちに会えて良かったよ。今の君が正しいと思う道を選べばいい。だから来れなかった。寂しかったぁ？
あれからずっと一人なんだよね。図書館も旅行も行けるし。でも、どうしても会いたくて。私の知ってたあの子はもう何処にも居なくて。今度こそ友達になろうと思った。このまま毎日火曜日だったらって思ってた。それが、どんなに勝手で酷い事か知ってた筈なのに。この身体は不便だよ、確かに。でも不幸だった訳じゃない。本当に。なれねー事するもんじゃねぇな。0じゃないんですよね。可能性は。これは今、俺が一番正しいと思う道です。